Razon de querer ir a Cuba.

キューバに行きたい。
もう10年も前から、そう思っていた。

なぜ?と聞かれてもうまく答えられず、自分でも何故だかわからないでいた。

キューバに関係する映画は何本も見た。けれどそれは一つのきっかけに過ぎず、例えばアメリカ映画を見たから「アメリカに行きたい!」と、必ずしもそんな気持ちに毎回なるとは限らない。それこそアメリカの映画なんてゴマンと観たけれど、それが動機になって「行きたい!」となったことはあまりない。

そんな折、ある一冊の本に出合った。

これもまたオススメ本として紹介して頂いた本なのだけれど、この本に私の”キューバへ行きたい理由”が詰め込まれていた。

言い換えるなら、「私がキューバに行きたい理由を代わりにすべて語ってくれた一冊」だ。(個人的な理由には違う部分もあるし、誤解を招かないようにあくまでも私見だということは断っておきたい)

読み終えてすぐに、猛烈に著者の若林さんと話をしたくなった。(そんなことはもちろんできないのだが)社会主義の国というキューバにおいて、私が感じてみたいと思っていたこと、見てみたいと思っていたこと、体験してみたいと思ってたことが、この本には溢れていた。

ひとつのエッセイとして、もちろん素晴らしい。
本編とはまた別の書き下ろし、コロナ後の東京について触れているくだりは切迫感も相まってヒリヒリと胸が焼けるような思いに駆られた。
ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊であり、共感できるところもそれこそたくさんあると思う。
けれど私の場合はそれ以上の、もはやこの本に出合わなければならかったのだ、と思うくらい、衝撃の一冊だった。

出会えて良かった。


今年に入って、何回そう言っただろうか。


それでも何度でも言いたい。

出会えて、良かった。