アラベスクの認識を変える

バレエのポーズの代名詞とも言える【アラベスク】

レッスンをしていて『アラベスクの脚が外れないように!(身体の中心に持っていって)』という
注意を受けたことのある方は、少なくないと思います。

一生懸命に上げようとすればするほど、脚は身体の中心から逸れていってしまった、、という苦い経験を持つ方も少なくありません。


【アラベスク】の語源はイスラム美術の一様式である”アラベスク紋様”からきています。
唐草紋様の螺旋状の形式、それが背骨の回旋を意味しており、さらには幾何学な反復からもたらされる”無限性”が、アラベスクが持つ永続的な伸びやかさのライン、つまり視覚的な美の象徴として捉えられているとも言われています。

この二つが持つ意義を踏まえると、アラベスクがどういう”ポーズ”なのかが見えてきます。
つまりアラベスクをする”態度(アティテュード)”は、単に脚を後方に上げることのみを意味しない、ということがわかります。
誤解を承知であえて極論してしまうとアラベスクは、ポーズでもポジションでもなく『態度=感情や意思を表す身体の動き』なのだと、私は思います。

だからこそ”アラベスクというもの”を、どう認識しているのか?重要になってくる。
そのもの自体の認識が異なれば、おのずと向き合う”態度(アティテュード)”は変化するからです。

アラベスクは基本のポジションがあっての、いわば発展形。
そこには「踊り(バレエ)」に対する態度が問われます。
何事もそうだと思うのですが、より実践に近しい形になっていけばいくほど、自分の取り組む態度(アティテュード)というものは大きく影響します。(態度が良い悪いとか、そういうことではないです)

日本語の難しいところは、学校教育現場で用いられている語感に引っ張られがちなところにあると感じていて、「あの子は態度が良い(悪い)」というふうに、態度という言葉ひとつでも定義をピュアに取り出しにくい。
なのでここではあえて『アティテュード』というようにしています。

ということで、今日はアラベスクのお話でした。